霊南坂へ
2015.05.02

 東京都港区にある霊南坂教会は両親の母教会で,自分も幼稚園〜小学校の頃は毎週日曜日に訳も分からずにヨソイキの窮屈な服を着せられ,車に乗せられて通っていた. 「大人の礼拝」に参加させられることもあったが,通常,大人の礼拝の間は「子供の部屋」にいて,しかし子供の部屋には併設されている教会幼稚園の園児やそこの出身の小学生が圧倒的多数を占めており,自分はまるっきり馴染めずに片隅で一人本を読んで過ごすことが多かったと思う.

 当時の霊南坂教会の教会堂は,東京駅を設計したことでも知られる辰野金吾による荘厳で美しく少し暗い建物で,当時の光の具合は今でもよく覚えている. 写真家児島昭雄氏による「霊南坂教会」写真集には,この美しい礼拝堂の雰囲気が余すところなく収められているが,中に「子供の部屋」の写真も載っていて,今回訪問時に見せていただいた時には,いつものように感情が遠ざかってしまって少しボンヤリしてしまった.(自分は感情が強く動かされると,逆に表面上は全体の回転数の様なものが落ちてボーッとしてしまうのです.)

 このブログの写真はアークヒルズの開発とともに移転した時に建てられた新しい教会堂の裏手の様子で,お天気の良い日だった.

 事情が種々あることは大人としては十分に理解できるものだし,当時の教会関係者,並びに,森ビル関係者の最終意思決定を尊重したいけれど,それでもあの教会堂を遺せなかったのかと少し考えてしまう.

 しかし自分の子供時代のある断片が,児島氏の写真集の中に確かに存在していることを確認出来たことがうれしかった. 自分にとっては間違いなく,これも写真の力だと思う.




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