道具の魔力 

2010-02-05-001

そんなたいそうな話じゃないんだけど.

同じ道具を使えば,自分にも同じ様な事ができるんじゃないか?という雑念を,未だにぬぐい去る事ができないでいる.

昔,私はベースを弾いていて,当時のヒーローはジャコ・パストリアスだった. フェンダーの60年代のジャズベースを買ってきてフレットを抜けば同じように演奏できるとは,さすがにとても思えなかったが,それでもやっぱり同じ音色を出したくてフェンダーのジャズベースが欲しかった. その後,ファンクに傾倒した時は当然マーカス・ミラーが神で,となると70年代のジャズベースか,そうでなければサドウスキーのベースが欲しかったんだけど,楽器に40万も50万もなんてとても出せなかった.

しばらくして,ようやく70年代のジャズベースを手に入れる事ができて,さすがに音色は自分の持っていたYAMAHAとはずいぶん違うものなんだなぁ,と思った記憶だけが残っている. ちなみにベースは3本.まだ家のどこかに転がってるハズだ.

ずいぶんと後になると,今度はビクター・ウッテンの演奏に衝撃を受ける. 彼が使ってるのは工芸品としても名高いフォデラのベース. まったく軽自動車が軽く買えるような値段の楽器で,とても手が出ない. それでも,いや,むしろ手が出ないからこそ,「もしかしたら」すごく弾きやすいんじゃないか?ちゃんと練習すればビクターみたいに弾けるようになるんじゃないか?と思ったりした.

で,カメラなんである.

レンズの影響は否定できないが(こんな自分でも判る事もある. でもローライ二眼のプラナーとクセノタールの違いは自分には判りそうも無いけど)それはとりあえず置いておいて,問題はボディなんだ. いや,もう正直に白状すれば(殆ど白状している様なものだが)ライカの事を考えている.”バースデーライカ”なんて気取るつもりは毛頭ないんだけど,一台,どうしてもM型のライカが欲しいと思っている.

M型のライカを買って,それからズミルックスを買ったからといって,例えば加納満氏の様な写真を撮れるようになるわけではないのは重々承知しているし,赤城耕一氏によれば,「ライカを使って良い写真を撮るのだという高揚感を得る事がライカを買う目的の全てである」(うろ覚え)とまで言い切っている. いやそれでも,なんというか,カメラの歴史をこの手の中に収めてみたいと思う.

幸い,どうやらベースの様にまで高額・・・と言う訳では無さそうなので,ずっと考え込んでしまっている. M3にするのかM2にするのか,それともM6TTLにするのか・・・或いはやっぱり値段に負けてツアイスイコン(コシナの方)あたりを手にしてしまうのか・・・いったい自分はどうするんだろうか?

いずれにしても次に買うカメラは,恐らく自分史上最も高額なカメラになることだけは間違いないだろうなぁ,と思っているわけです. 金あんのかよー,ってのはさておき.

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